オーダースーツとは オーダーのすすめ
既製スーツとオーダースーツ
オーダースーツをご検討されている方には特に知っておいていただきたいので、おすすめの部分と注意点などを恐縮ながら私山本がお客様の目線に立ってお伝えします。
ちょこっと文字数が多くなりますがお付き合い下さい。
まず、通常スーツを購入と考えた場合、大手量販店もしくは百貨店で既製スーツを購入と考えると思います。
既製スーツとはメーカーが大量生産したスーツのことをいいます。普通にお店で売っているスーツ、吊しのスーツといわれるのがこれにあたります。
・既製スーツの大きなメリットは手軽さです。完成した状態で売られている為お店に行けば必要なときにすぐに購入できます。
・2つ目のメリットは価格の安さです。既製スーツは工場で大量生産することで1着あたりの原価を安く抑えています。そのため、オーダースーツと比べ安価に購入出来ます。
・3つ目のメリットは完成した状態を着用できサイズや色や柄を確認できます。
色や柄は意外と派手だったと後から後悔は少ないですし、毎年の企画で流行を踏まえて生産されるのでいろいろな意味で安心です。
中には機能素材を使った企画で撥水加工のスーツや、ウォッシャブルのスーツ、シワになりにくいスーツなど企画は様々です。
・4つ目のメリットとしてはコーディネート。頭の先から足のつま先まで一式揃って売られています。スーツやジャケパンとシャツやネクタイをどの様に組み合わせたらいいかは何体もあるトルソーのディスプレイを見て、あるいは何人もいる店員さんに相談されるといいと思います。
・デメリットは大部分でサイズでしょう。上下別々のサイズを選べません。肩幅や胸回りで合わせるとウエストやお尻が合わない。安いけれど安いなりの縫製品質と素材感。良くも悪くもごくごく普通のスーツ。細かい部分で色や柄やオプションにこだわれない。某有名ブランドのスーツを店員さんに勧められて買ったが似合わないと言われる。着心地が悪い。合わない部分をお直ししたら料金を取られて結果オーダーと変わらない料金になった。などの声も多くあります。
既製スーツのメリットの部分が多くて、オーダーメイドをやっている私が言うと周りのテーラーさんから「なんて事を言うんだ!」なんて怒られそうですね。でも、期日に間に合わないとか、予算の問題で価格の高いスーツを買う余裕はないとか、こだわらないから少しでも安く抑えたい、って人にとっては手軽な既製スーツの利用価値は高いと思います。スーツは消耗品?中には作業着⁉︎と言う方もいます。
これは「立場」「用途」「予算」「サイズ」「価値観」「考え方」次第です。
オーダースーツはもっと身近なものであるべきでは?なんて私は思います。スーツやシャツが必要になったその時、既製にするかオーダーにするか、その選択肢の一つとしてオーダーも視野に入れてもらえると嬉しいです。
オーダースーツの何に惹かれるのか
ではオーダースーツの何がそんなに良いのか?どうしてオーダースーツこんなにブームになっているのか?
それを紐解き、オーダーの良さをお伝えできればと思います。
昨今のオーダーメイドには様々なものがあります。
お店だけでも個人や大手のオーダー店をはじめ、百貨店のオーダー店、量販店が出したオーダー店、2着目はネット注文の店、または出張オーダーなどいろいろ。
最近ではアパレルブランドが不況が理由でオーダーにシフトするところもあり、今やオーダースーツ業界は戦国時代と化してきました。
相談しながら1着をオーダーメイドで作ることは昔からあるものの、むしろ今こそ求められているスタイルなのかもしれません。
提案されるコンサルタントという事業が成功している今の時代に、オーダーメイドのスーツやシャツの知識のあるスタイリストまたはコンシェルジュ、はたまたイメージコンサルタントと言われることもある私達提案する側と、
TPOに合わせてどのように着たらいいかわからない方や、かっこいい自分を磨くことに貪欲であったり、仕事で信用され頼られるように見られる、そんなスーツ姿を提案して欲しいもしくは一緒に考えて欲しいと来られます。
もちろん中には何でもいいからって言うお客様も、様々いらっしゃいます。
スーツを着た時に自らが躍動するはタガルのコンセプトにあるように、オーダースーツで自分好みのスーツを着ることによって、ちょこっとだけでもやる気が増したり、少し自信が出て姿勢や態度に現れるってことももちろんあるでしょう。
それは単に体にフィットした服が作られる楽しみだけでなく、選ぶという楽しさ、自分だけのものという優越感、他者の視線への意識から自分をモデファイするということもあるでしょう。
それらはファッションにこだわる、は普段着よりも仕事着のほうが数倍着るわけですから、スーツへの代償は結果として成果につながるものでもあると結びつけるのは強引でしょうか?
何はともあれ、一度その店で作れば「次はどの生地で作ろうとか」「次はどこにこだわってみようとか」の楽しみも潜んでいます。
「Be spoken」とは話し合い理解し合うの意味です。本場サヴィル・ロウが発祥で日本では「ビスポーク・テイラー」と言われるようにタガルではオーダーメイドは話し合い、感じ合い、「フィーリング」を最も大事にしています。
お客様の作られたいイメージや着用シーン、予算なども含め私達フィッターとじっくり相談して作ることにつきると思います。
そしてお客様自身がデザイナーになれる瞬間を味わうことができる。それこそが愉しむオーダーの醍醐味と言えます。
オーダースーツのメリット・デメリット
オーダースーツのメリットは、自分の好みや体型に合わせた世界でただ1着のスーツが仕立てられるということに尽きるのではないでしょうか。当然ながらお客様のサイズに合わせて1着ずつ仕立てていきますので、体型、身体の癖や特徴まで考慮した微調整を行うことができます。場合によっては少しだけお値段が張るかもしれません。しかし、それ以上に満足感が得られる1着になることは間違いないでしょう。
一度その店で仕立てれば次からサイズの悩みはなく、生地と釦や裏地を選ぶだけで仕上がります。
もちろんオーダースーツは全てが良いことばかりではありません。出来上がりのイメージが分かりにくかったり、ご納品までに数週間の時間がかかる為、既製品の様にすぐには手に入りません。
お店によっては2ヶ月近くかかるところもあり、フルオーダー(ハンドメイド)となれば2〜3ヶ月かかるところもあります。
仕上がり後に試着をして納品しますが「もう1センチ短く、細くして欲しい」なんてこともあるでしょう。
その場合お直しに1週間〜1ヶ月も時間が生じることも稀にあります。
また、お店のフィッターとフィーリングが合わなければイメージ通りのスーツに仕上げるのも難しいでしょう。
例えば20〜30代の方が作りたいとイメージされる「トレンド感」のある「かっこいい」スーツを、老舗であっても60代くらいのベテランフィッターが受けてもイメージする感覚やサイズ感にズレが生じるのではないでしょうか。
オーダーメイドスーツはお客様とフィッターとが深く話し合い、好みや思いをスーツという形に反映させていくのだと思います。オーダースーツは1人で悩まずに思っているイメージをフィッターと相談しながら作る事で初めてそれが実現する、ある意味特殊な洋服であるとも言えます。
タガルでは老若男女ありとあらゆるジャンルの方々にご満足頂ける様に、洋服の事だけに特化しすぎず、多種多様な世界観を知る感覚を養う事も重要だと考えています。
オーダーメイドスーツの種類
タガルのオーダーメイドスーツは大きく分けて3つ、フルオーダー、イージーオーダー、パターンオーダーと有ります。
・フルオーダー(本縫い)はお客様のご注文に対し、オリジナルのパターン(型紙)を起こし、1人の職人が裁断とミシン縫いと手縫いとアイロンワークを繰り返し、その全工程を1人の職人が行うため、お客様の細かいご要望と体の癖を反映させることができる、まさにオーダーメイドの最高ランクといえます。
ご注文から約2週間後に仮縫い(仮に縫い止めたスーツ)を着て頂き、形とサイズとイメージにズレがないかを再確認する工程を挟みます。
時間と費用は必要ですが、細部のディテールに至るまで最高級の仕立てを体感できるでしょう。
タガルでは2種類のフルオーダーをご用意していて、通常通りお客様のビジネススーツを仕立てるのとは別に、特殊なデザインを取り入れこだわったフルオーダーもございます。
・イージーオーダー(イージーメイド)はパターンオーダーより補正箇所が多く事細かに調整可能でフルオーダーとパターンオーダーの中間の仕様になります。縫製グレードはこの中にもレギュラー縫製・カスタム縫製(手作業30%)・ロイヤルカスタム縫製(手作業60%)と3つ有り、手作業の割合が増えるほど縫製も綺麗で立体的な丸みを帯びたシルエットとなります。
見た目の綺麗さはもちろん着心地の良さ、付属品も上質になり堅牢性も備わった仕立になっていきます。
立体感のあるシルエットの美しさと、縫製にもこだわり堅牢性も増すので結果末永く着られるのでカスタム仕立てが当店のおすすめです。
ご予算に合わせてお仕立のグレードをご選択いただければと思います。
・パターンオーダー(パターンメイド)は型が決まっていて細かい部分の修正ができない。丈や幅のみ調整可能のオーダーメイド。ある程度決まったシステムの中でお仕立てするオーダー商品です。調整可能範囲も限られた部分のみとなります。
TAGARUのオーダーのすすめ
TAGARUではパターンオーダー、イージーオーダー、フルオーダー全てに対応しており、お客様のご予算やご要望に合わせたスーツのご提案を可能としております。特にタガル代官山店では都内最多のオプションと付属の数、1年間で揃う生地の数は約20,000種類、裏地の数は約1,000種類、ボタン数は約300種類。
レディーススーツのオーダーであってもジャケットやワンピースやフレアスカートに至るまで可能なものは最大限にご利用いただける枠を設けないシステムで、お客様目線に立ちご要望を形に実現いたします。
オーダースーツは分かりにくい、ハードルが高い、古くさいといったイメージをお持ちの方も多いと思いますが、私たちはそういったイメージを払拭すべく、日々ご満足頂くにはを考え、そして感覚を養う努力を重ねています。“オーダースーツはこんなにカッコいいものが出来る” “オーダーメイドは愉しい”と思っていただけるように、オーダー初心者の方からベテランの方まで親切丁寧で分かりやすいご提案を心がけております。
また、TAGARUではドラマや映画、CMなどの衣裳協力やスタイリスト様からの依頼で衣裳製作を数多く行っており、そういった経験の中で得た最先端のトレンドをいち早くお客様のスーツへと反映させる事で、どこよりもファッショナブルな1着を提供し続けたいと考えています。
わたくし山本の父もオートクチュールを行っており、私自身もデザイナーとして活動しておりました。その経験の中で培ってきたデザイナーとしての目線は他店とは違った視点と提案で突き進んで参りました。
得てきた経験と知識は各店舗のスタッフとも共有し技術に反映させております。今では私より丁寧親切なスタイリスト&フィッターに育ちました。
お客様のご要望とタガルの店員のスパイスが加わることでどこかひと味ちがう洗練されたオーダースーツを感じていただけるはずです。
そして、共に作り上げたスーツは見た目にカッコいいだけでなく、着心地の良さも兼ね備えたまさに”あなただけのご満足頂ける1着”となるでしょう。
服を買おうと思われた時、既製服だけではなく、オーダーメイドもその選択肢に上げられるようになればと願います。
そしてTAGARUが皆さまの選択肢の一つになれば嬉しく思います。